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刑事とJK
第30章 肝試し



―――――――――――




『もうほんとヤダー!!
道に迷ったあああ!!!』



ゆうひはちゃんと斉藤を待っていた

しかし、怪しい物音が聞こえて、
思わず逃げ出してしまった



その結果、もと来た道がわからなくなってしまい
現在、こうやって一人でさ迷っているのだった




『斉藤ー、どこー…?』



もう、あたし
一生ここから出られないのかも…



懐中電灯も落としちゃったし、
真っ暗で何も見えない…




『斉藤ー…』



その時、誰かがゆうひの肩を叩いた




『ぎにゃあぁあぁあ!!!』



「わああ、待って丹羽、
俺だ俺、小川だ!!!」




懐中電灯で小川は自分の顔を照らした


それがまたゆうひには恐ろしく見えた



『ごめんなさいごめんなさい!!
殺さないでぇー!!!』




「丹羽落ち着け!!
俺は小川だって!!」



小川は懐中電灯を消して、
腰を抜かしたゆうひの肩を揺すった




『あ…
小川君…』



「わかったか?
良かった、丹羽に出会えて…」



小川はゆうひの手を取って立たせた




『小川君…、確か
いとこのお兄さんと来てんだよね?』



「うん…でも途中ではぐれちまったんだ…。
丹羽は?」




『あたしも、はぐれちゃったんだ…』



「どうする…?
探す?」



ゆうひは頭を傾けた



『探したいけど…帰りたい…』



「俺もだよ、こんなとこ苦手だ」



小川はゆうひの手を引いて歩き出した




『どこ行くの…?』


「社の前で待ってたら、会えるかもしれないだろ?
社を探しに行こう」



『…うん』



小川の手は頼りがいがあって、心強かった







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