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刑事とJK
第42章 船上の殺人事件2





「日に日に増えていく彼女の傷跡に、
僕は疑問を感じて何度も聞いたよ…
でもタツキは"大丈夫よ"といつも僕に笑いかけてくれた」



神谷はその目に涙を浮かべた





「それからしばらくして…タツキは自殺したんだ…
その時は自分の無力感に押し潰されそうになったよ…」




ツカツカと、戸松の前に立った




「お前らがしゃべっているのを偶然耳にして、
ようやく理解できた…
タツキの自殺は、お前らのせいだったんだって…!!」



神谷は戸松を殴りつけた



「ぐっ」



「その時から復讐してやると決めた!!
タツキを辱めた奴らと、
金欲しさに娘を使った非道な男に…!!」





神谷は息を荒げてそう言った



藤野は問い掛けた



「わざわざ脅迫状を送り付けたのはなぜだ?」




「今日は大事な大事な取り引きが行われる。
それに参加しないと、会社がもたないくらい大事な…

最初は、会社さえ潰せれば充分復讐になると思ったから脅迫状を送ったんだ…
しかしこいつらはパーティーに出席した。
もう、殺すしかないなって思ってさ」




くっくっくと不気味に笑った




「江口と戸松が、助かってしまったのが心残りだけど…
まあ、いいや…疲れた…」





神谷は両手を出した



藤野は黙って手錠をかける







「そうだ、刑事さん」



神谷は斉藤を見た





「ゆうひさんには何もしていませんよ。
自分の女が他の男に手を出されるほど不快なものはない…
それは僕が嫌というほど経験しましたからね」





「手ぇ出してたら、オレがお前を殴ってた」




「くすっ…でしょうね」














重たくどす黒い夜空は、

今にも落ちてきそうなたくさんの星を抱いていた



その真下では、

ひとつの事件が静かに幕を閉じたのだった








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