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刑事とJK
第10章 伝えられない想い




「斉藤、あなた仕事ほっぽりだして
遊んでる場合じゃないでしょ?
戻りなさい」



遊んでいるわけではないが、
否定も出来ない


斉藤は渋々帰って行った


わざと軽くゆうひにぶつかって







「ゆうひちゃん、久しぶりね。
今日はどうしたの?」



津森は笑顔でゆうひに話し掛けた



『えと…斉藤に、いろいろ言っておきたくて…
ありがとうとか…』


「好き、とか?」



ゆうひは目を真ん丸にさせた



「ふふっ、ダメよゆうひちゃん。
斉藤はあたしのものよ?
あなた、彼のことをむかつくだけって言ってたじゃない」




『あれは…前のことで…』



「前のことだなんてずるいこと無しよ
それに、あたしたちもうキスは済ませたわよ?」





『…ぇ』





その言葉は
ゆうひに重くのしかかった










キス…

しちゃったんだ…



斉藤と津森さん――――





斉藤は…津森さんのこと好きなんだ…







「あ、あたしも仕事の途中だったわ
じゃあね、ゆうひちゃん」














ゆうひはその場にしゃがみ込んだ



手で口を押さえ、
声を殺して

涙を流した





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