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呟きたい
第24章 姿勢①

「本が好き。大抵創作の原点はそこじゃないのかなって思う」

「インクから紙面に落とされた線の羅列が無限の世界を生み出す感動を一度味わったスタートがあるから、筆を持つんじゃないかって」

「そうなってくると必然的に、読んできた書の種によって文体、タッチ、色が変わってくるわけだ」

「堅苦しい歴史物、読みやすさ重視の恋愛もの、読み手の想像力に加勢を求めるSFものにファンタジー。さらには登場人物の気性も関わってくる」

「自分もこんな格好良いキャラを生みたい」

「面白いのはさ、キャラが作者に似るって現象だけど、考えたら単純だよね」

「自分の思考を越える脳を持つキャラは創れない。それが創作の限界」

「描いてるときにナニかが降りてくるなら別だけど、それは奇跡みたいなもんで」

「アマチュアには能力限界が付きまとう」

「読者を選ぶ小説が厭だという意見があるが、読者を選ばない大衆的作品だって多数派……つまりは凡人思考に合わせているだけの錯覚であって」

「読者を選ばない作品なんて存在し」

「そこまで言ったらアウトかな」

「まあ異論はそれぞれ」

「話を戻そう」
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