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第27章 雑談⑤

「ただいま」

「類沢さん、おかえりなさい」

「待たせてごめんね」

「いえ……仕事帰りにどこ行ってたんですか」

「コレ、買いに」

「あ。巻き寿司ですか。珍しいですね」

「今日なんの日か知ってる、瑞希」

「節分ですね。……あっ、恵方巻き！」

「そう」

「うわぁ～、具材豪華ですね」

「ふっ……好きな方選びなよ」

「じゃあ、伊勢海老で！」

「方角はそっちだっけ」

「ちゃんとやるんですか」

「一応？」

「類沢さんて行事とかやるタイプなんですね」

「意外？」

「節分は意外です」

「まあ……恵方巻きは初だけどね」

「コレ息継ぎなしで食べるんでしたっけ」

「そうだね」

「ではっ……」

「……」

「……んむっ？」

「気にせず食べなよ」

「…ん……」

「可愛い。そうやって太いの咥えてる瑞希」

「んぐ……っ。ん」

「美味しい？」

「ん……んん、く。っはあ。やめてくださいよ、人が食べてるときに見つめるの！　恥ずいじゃないですかっ。しかも類沢さん食べてないしっ」

「エロい行事だね、コレ」

「どんなプレイですか、ソレ！」

「瑞希」

「はい？」

「口に付いてる」

「えっ、嘘」

「嘘。僕のは冷蔵庫入れといて。後で食べるから」

「……類沢さん」

「ナニ？」

「今日いつもよりイジワルじゃないですか」

「鬼になってあげようか？」

「囁かないでくださいっ」