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呟きたい
第28章 姿勢③

「んー?」

「どした、ハル」

「いや……なんで出番終わったのに僕また呼ばれたのかなあって」

「お前の言葉は合うんだろうさ」

「え?」

「だってお前、瑠衣がモデルなんだからよ」

「ははっ。直輝がそんなこと言うとは……生意気」

「お前連載終わってからイイ性格なったよな。敬語すら面倒か?」

「あれも一つの仮面だよ。言葉遣いって単純な道具でさ……使い方一つで印象を変えさせる。便利だよ。とくにこういう対話とかもそうなんだけど、まあ正に文章上で表す人間ってさ、仕草とか容姿なんかよりずっと口調が重要になってくる。たとえばさ……ふっ」

「なんだよ」

「いや……僕が、ふにー! 面倒なんだよぉっ、なんでこんなことしなきゃなんない訳ぇっ? ばーかっ。……みたいな喋りだったら別人でしょ?」

「あ、ああ……まさに別人だったぜ、今(抱きたいくらい可愛すぎた……鼻血が」

「ティッシュそこだよ」

「おう……」

「ニュアンスも込めた思いも唇一つで姿を変えるってさ、なんか凄いよね」

「ふっ」

「ナニ?」

「いや……やっぱお前が呼ばれる訳がわかるっつーか?」

「そう? そうか……」
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