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呟きたい
第40章 ホストについて⑤
「年の瀬やなあ」

「そうだな」

「……関西弁に対してなんの突っ込みもなしかい」

「お前は気まぐれで英語とかもいきなり話し出すからな」

「ザァッツライッ! うるさいよ」

「年の瀬だな」

「ホストも忙しくなる時期だよぉ」

「世間が忙しないんだ。俺らが暇なわけがないだろう」

「んー。そうなんだけどねぇ。チーフとしてはこう……のんびりクリスマス楽しんでも罪じゃないんじゃないかって」

「はっきり言え」

「どっか遊びに行かない?」

「……あのな」

「紫苑はNo.1ホストだから無理だよねえ。知ってる。知ってる。知ってて言ってる♪」

「歌うな」

「高いホテル予約してさあ」

「あ?」

「真っ赤な薔薇に、きらきらのネックレス。見ただけで幸せになるようなディナーとスイーツを用意してさ」

「……」

「オキャクサマの一瞬の笑顔と金のために頑張るなんて虚しくない?」

「甘い言葉を囁く、が抜けている」

「うえー」

「お前も元はホストだろ、空斗」

「ソレがやだからチーフになったんじゃん」

「チーフになったらなったでホストの話題についていけなくなって一人で『ハブられたぁ~』とか泣きつくのにな」

「やん。紫苑のモノマネとか貴重」

「……休憩終わるぞ、そろそろ」

「働きたくない……」

「聞こえないな」
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