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呟きたい
第6章 欲求不満①

 「みぃずき! パチパチ!」

 「いきなりなんだよ、アカ」

 「拍手だよ。ついに500突破だって」

 「ご、ひゃく!?」

 「あ。いいねぇ、その反応」

 「まじかよ」

 「誰のお陰なのかな」

 「いや、一人しかいないだろ」

 「云いたくないあの人ね」

 「人気独り占めというか……」

 「みぃずきだって」

 「え?」

 「こう、年配方に」

 「失礼だろ。それは片桐さんの友人がちょっと歳いってるだけ……って何を言わせるんだよアカ!」

 「あらら。聞いてるかもよ」

 「やっべ……怒られるな」

 「誰が?」

 「片桐さん」

 「だよねー」

 「サッサと今回の読んだ方がいいんじゃない」

 「うん。なんだっけ?」

 「欲求不満だろ?」

 「あ、そうそう。季節感を出したいのに、いつも季節に置いていかれるってさ」

 「このままだと俺たちセンター受けられないもんな」

 「確かに。気づいたら春みたいな」

 「笑えない」

 「うん」

 「でも正月も過ぎたし、暫くは行事もないんじゃ」

 「みぃずき!」

 「え、なに?」

 「二月といえばバレンタインだよ」

 「二月といえば節分だろっ!」

 「バレンタインだよ!」

 「俺たちには縁がない行事じゃん」

 「え……?」

 「なんでそんなに驚くんだ」

 「え、いや。その、みぃずきってまさか……貰ってないの?」

 「……」

 「……」

 「……アカ」

 「ごめん! ごめんってみぃずき! 知らなかったんだって!」

 「そりゃ……アカはモテるよな」

 「う、いや。五個くらいだよ」

 「へぇ」

 「みぃずきが怖い」

 「俺はアカが怖いよ……」

 「ちなみにみぃずきは節分やるの」

 「まぁ、百円の豆買ってた」

 「ふうん。節分って外に豆撒けばいいんだっけ」

 「? 普通に外に向かっては鬼は外。そのあと中に向かって福は内って」

 「そうやるんだぁ。やったの幼稚園が最後だから覚えていなくってさ」

 「そっか……なぁ、アカ」

 「うん?」

 「今年、一緒に豆撒きやんないか。金原も誘ってさ。もし、アカが良ければだけど」

 「やる!」

 「もう家庭学習入るけどな」

 「みぃずきん家でいいの?」

 「あぁ」

 「やったね!」

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