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呟きたい
第11章 性格云々③

 「担当とか俺が知ったことじゃねえし。肉切れたから帰る」

 「ここにカルビ弁当あるからっ」

 「ッ……なんで用意してあんだよ。気持ち悪ぃ」

 「ほら。オレ用にサラダまで」

 「幸せだな、てめぇは」

 「これこれ、読んでみ?」

 「あ? 齊木忍は『I love you』を『キスの代わりに涙を一 つ』と、訳しました……んだコレっ!」

 「雑談お馴染みだろ。キスの代わりに涙」

 「云うなてめぇっ! こんなんただの心理テスト程度の価値しかねえ診断だろ。ふざけんな。なにが訳しました。だ。俺は信じないぞ、こんなくだんねー診断」

 「なにムキになってんだよ」

 「なってねえ! 一回永眠しろ」

 「それ微妙に矛盾した命令だな」

 「てめぇはどうなんだよっ」

 「オレ?」

 「俺だけじゃなくて二人とも診断するべきだろうが」

 「えー。オレはいいよ。ハズいし」

 「俺を勝手に恥ずかしくした馬鹿はどの馬鹿か言ってみろ」

 「少なくともオレじゃない」

 「読んだ俺のせいってか。やかましい」

 「忍がノリツッコミした」

 「してねえ」

 「ほら、次」

 「……」

 「ん? ああっ。おい、人のプライバシー!」

 「なにがプライバシーだ。えっと……拓は『I love you』を『証を下さい』と、訳しました……」

 「あ……」

 「なんだこれ……」

 「いや、そのそれはただの」

 「てめぇが馬鹿みたいに迷惑以外なにものでもない数の痕付けんのはこういう理由ってわけか。ああ?」

 「愛の証がキスマークだったらオレじゃなくて忍がオレに付けて」

 「愛の証とかいうんじゃねえっ」

 「なに恥ずかしがってんだよ」

 「うるっせえな」

 「ああ――! 人の結果ビリビリに破るとか最低だっ」

 「じゃあ、それ貸せ」

 「ん? ああ」

 「俺のも破れば平等だろ」

 「ちげー!! ああ――!」

 「マジうるせ……もう帰るからな」

 「まだなんの呟きも処理してないんだって!」

 「一人でやれ」

 「ヤるってなにを?」

 「……」

 「あっ、おい。鍵閉めんな! 戻って来いって忍!」

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