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呟きたい
第12章 ホストについて③

 「あぁー……」

 「挨拶前からグロッキーだね」

 「だって俺もぉ最近ヤバくないですか?」

 「まあね。ここのところ大変だった」

 「俺まだホストになって二週間ですよ。なんでこんな事件に巻き込まれるんでしょう」

 「……体質」

 「ためといて酷いこと言いますね」

 「ほら、起きて瑞希」

 「はーい」

 「返事」

 「今日だけ許してください」

 「ふっ……わかったよ」

 「えっと、って全然減ってないじゃないですか! 俺らの前に大分の人数来てましたよねっ?」

 「初めてだから仕方ないよ」

 「わー……じゃあ片付けていきますか。普段から名字を出す機会を逃し気味だけど、ホスト八人集の空牙と吟のタイミングを完全に失った、と」

 「あぁ」

 「俺も知りたいです。あの二人のフルネームってなんなんですか」

 「自分で訊きなよ」

 「会えませんし」

 「訪ねれば?」

 「他のホストクラブ行くのってありなんですか」

 「場合によるね。今なんかは大丈夫でも抗争状態だと無事で済まない。店の外で会うにこしたことはないよ」

 「なるほど……で、名字は」

 「結局戻るね」

 「知りたいんですもん」

 「呼ばないと思うよ?」

 「スフィンクスのお二人は松園でしたよね」

 「よく覚えてるね」

 「強烈な初対面でしたから」

 「あの二人の話し方って独特じゃない」

 「ますつもりでしたのに、とか。敬語が並ぶと威圧感半端ないです」

 「良いけどね」

 「あの白髪も凄いですよね。毛根まで白くないですか」

 「うん……あれは遺伝って噂もあるから、染めてるんじゃないかもしれない」

 「うわぁ……色々凄い」
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