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呟きたい
第12章 ホストについて③

 「今回はゲストが来てるみたい」

 「誰でしょう」

 「入ったら?」

 「しっつれいしまーす」

 「アカ!」

 「はろ。みぃずきに類沢さん」

 「やあ」

 「うわ……トップ2ですか」

 「ここ座っていい?」

 「あっ、うん」

 「ふーん……なんか和むね」

 「慣れたからね」

 「ちなみに……二人はプライベートで会ったりするんですか」

 「ははっ。会ってどうするの」

 「類沢さんはチーフとしか飲みに行かないからさ……会わないね」

 「お互いにライバル意識はあるんですよね」

 「そりゃね。でもなんて言うんだろ……この人、ウィークポイントないじゃん? だからライバルってのもあるけど尊敬もしてるんだよね」

 「へぇ、照れる」

 「真顔ですけど」

 「僕も紅乃木は凄いと思うよ。だって瑞希と同い年でトップを維持してるんだから」

 「まあ、おれの同期は伴も玲もいますけどね」

 「濃いなぁー」

 「類沢さんの同期はいるんですか」

 「んー……確か、如月紫苑かな」

 「あの人ですかっ」

 「納得だよね」

 「そういえば如月と頂上争ってる紫野恵介も同期だよね」

 「会ったことないです」

 「おれ、あるよ。なんかチャラい」

 「まさにそれだね」

 「皆さん、他の店のホストとどこで接点あるんですか」

 「接点? 接点ね……」

 「半期に一度の祭では会うよ」

 「ああ……カスタム祭ね」

 「なんですかソレ」

 「僕らは普段ホスト、つまり歓迎する主人の側にいる。でもこの日だけは誰もがカスタマー、お客になって隔たりなく飲み交わす。貸し切りの上に女人禁制。参加する店は二桁近いから、結構色んな連中とコンタクト出来るよ」

 「そういうとこってやっぱりNO.に入った人しか行けないんですか?」

 「そうでもないですよね」

 「うん。瑞希も行きたければ行けるよ。歌舞伎町のホストであれば来るもの拒まずだからね、基本は」

 「なに話すんですか」

 「アバウトな質問だね」
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