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呟きたい
第17章 雑談③

 「いちいち俺の発言を拡散するのやめろよ」

 「だって忍がウィスパーに加入したのが嬉しくて」

 「っていいながら囁くなよ。なんで俺との会話実況してんだよ、気色悪い」

 「あ、そっか。オレが携帯ばっか見てるから寂しいんだな。せっかく二人きりで担当任されたってのに忍の期待に気づいてやれなくてマジごめん。もう電源落とすからとことん語ろうじゃないか」

 「てめぇのユーザー、リジェクトしといたから」

 「おいおいおいおいっ! なんでだ、え? なんでなんだ」

 「うっせぇ……てめぇの囁きで俺のホーム画面が埋まるのが目障りなんだよ。ただでさえ頭痛いのになんでデジタルでまでてめぇに付き合ってやんなきゃなんねぇの」

 「え? 付き合ってるの認めた?」

 「しね、ばーか」

 「照れるな、忍」

 「あぁああああっうざってぇ! その携帯折ってやるから持って来い!」

 「そんなことしたら忍……仕事に支障ができるよ」

 「マジレスすんな」

 「そういや、どうなの」

 「なにがだ」

 「キャッスルだっけ」

 「ああ。別に。どってことねぇけど」

 「類沢さんに雛谷には気をつけろって言われたから心配で」

 「だからてめぇ、雛谷さんのアカウントまで監視してんの? 気持ち悪い」

 「お前が心配なんだよっ」

 「束縛彼氏か。面倒臭ぇ。大体雛谷さん、俺がウィスパーやってんの知らないぞ?」

 「お前のお気に入り、オレだけだもんな」

 「違ぇよ。rui-staffが先だ」

 「まだハマってんの……? もう四十だろあの人」

 「そのライブユニフォームがエロイからそれに似た服でコスプレ迫ってきたのはどこの馬鹿か覚えてるか?」

 「そうそう。今度の夏フェスだとコンセプトが花嫁だろ。もうポスター公開してたから観たけどあれ絶対忍に似合うと思うんだよ。白のレースとかやばくないか。知り合いで亜廉ってやつがいるんだけどそいつが元カノが使ってたドレス余ってるらしくて譲ってくれることになったんだが」

 「そうそうじゃねーよ。てめぇが着てろ」

 「オレ色黒いし、なで肩じゃないから似合わないし」

 「マジレスすんなぁああああっっ!」
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