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ここで待ってるから。
第6章 未来の迷図。
 午後までゆっくりベッドの上で微睡む。

 メールの返事を打ち込んでは消し、を繰り返す。

 はたして、今の私には涼介に会う資格があるのかどうか。当てつけに夏に抱かれ、快楽を貪る女に。
 涼介だって、いろんな女を抱いてるんだろうな。
 だからって、私がそんな事を続けていていいのか。

 そんな悩みを繰り返し、何も答えが出せないままでいる。

「橙子さん、これから出かけてくる。」 

 夏が服に着替え、ケータイと財布を上着のポケットにしまう。

「仕事の呼び出し。」

 ベッドに近づき、毛布に包まっている私を静かに抱きしめる。

 また、そんな風にされれば勘違いする。

「…いってらっしゃい。」

 夏はさみしそうに笑う。



 夏がいなくなった部屋はひっそりとして、空気が冷たく感じられる。
 ベッドから出て、部屋着に着替える。

 涼介からメールが送られてきた。

『会いたい。』

 こんなメールはじめて受け取る。
 どこそこにいるから来いとか。
 そんな、命令的な内容ばかりだったからこの言葉に心が動く。



 夕方、合鍵で涼介のマンションの部屋に入る。
 2LDKで、ベッドルームと書斎。リビングは殺風景な位物がない。
 買い物してきた材料を冷蔵庫にしまう。
 冷蔵庫の中も綺麗に何も無い。

 とりあえず、食べるかわからないけど日持ちする料理を作り始めてみる。筑前煮と野菜のマリネ。

 涼介の好みは以外とあっさりした和食。
 私はがっつりな洋食。
 お酒は嗜む程度。私は結構、グイグイ飲んでしまう。

 今思えば色んな事が正反対な二人。

 だから、私にはない部分が多くて惹かれるんだろうか?

 一仕事を終え、ソファでくつろぐ。
 気がつかなかったメールが一件。涼介から入っていた。

『部屋にいるのか?』

『いるよ。食べるかわからないけど、御飯作ったよ。』

 送信後、すぐに返信がくる。

『お前を食べたい。』

 どんだけ、肉食ですか。

『無理です。』

 テレビをつけて、缶ビールに先ほど作った筑前煮をつまみに一人酒。彼氏の部屋で何やってんだか。

 もし、涼介と結婚なんかしたらどんな生活が待ってるんだろうか。
 案外、今と変わらないのかな。
 涼介が家庭に収まるとは思えないけど。

 見えない未来を想像する。
 



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