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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第19章 水蜜桃の戯れ
 彼は小さく笑い、視線を水面に戻した。あまたの蛍が光の軌跡を描きながら、闇夜を舞う。彼の視線は無心にその光を追っているようであったが、実際は恐らく何か別のものを見ているに相違なかった。
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