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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第20章 紅蓮(空蝉)
「ここは私の乳母の―満正の母の住まいだ。姫が幾ら泣き叫んで助けを求めようと誰も助けにはこないよ?」
 栄子は涙眼で友平を睨んだ。
「私はやはりここに来るべきではありませんでした。私たちはお逢いするべきではなかったのです」
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