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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第20章 紅蓮(空蝉)
 紅蓮の焔を思わせる紅葉は栄子に今し方、友平に抱かれた記憶を呼び覚ました。友平にひとたび触れられただけで、栄子の身体は敏感に反応する。彼はその悪戯な指先で栄子の身体のあちこちに小さな焔を灯してゆき、やがて、その焔は一つの巨大な焔の塊となり、栄子自身を飲み込んで灼き尽くすのだ。
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