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第4章 入内の勅命

　帝はその間、御病にてご療養中と公表され、検非違使などを総動員して都中を極秘に隈無く探し回ったが、帝のゆく方は杳として知れなかった。
　このままでは国の根幹が揺らぐと、関係者一同が困窮しているまさにその最中、消えた帝が内裏に戻ってきた。数十日の間、どこで何をしていたのか、皇太后にさえも話さず沈黙を守り通し、結局、帝が無事に帰還したのだからとこの大事件は不問に付され闇から闇へと葬られた。