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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第4章 入内の勅命
 若い頃は武官だったという父はそこそこは剣を使う。承平を見つければ本当に剣で斬りつけていきそうで、恐怖のあまり薫子は言葉を失った。 
「とにかく、入内は既に決まったことだ。帝は一日も早いそなたの後宮入りを望まれている。流石にひと月は待つと仰せだが、ひと月後には有無を言わさず参内させるからな。そのつもりでいなさい」
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