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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第4章 入内の勅命
 薫子は口をつぐみ、思案顔になった。ふと、承平の綺麗な顔が間近に迫ってきて、薫子は愕きに身を退いた。
「何なの?」
「何を考えている?」
「別に、何も」
 またズイと承平が顔を近づけた。殆ど唇が触れそうなほどの至近距離である。
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