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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第2章 酔芙蓉の簪(かんざし)
「帝は地方のことまでご理解できてないのだと思うわ。全国には国守がいるでしょう。その国守が良い人かどうかで地方の政も決まるの。だから、国守が民から不必要に年貢を搾り取ったとしたら、その国の民は困窮することになってしまう」
 承平の声がやや高くなった。
「だから、それはすべて帝が悪いからだろう!」
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