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第28章 アメリアの夢

袖無しのシャツは駄目とか、肌色ストッキングにメイクは必須とか、そういうの。ネイルも地味系なら大丈夫。暗黙ルールの基準が曖昧すぎて面倒臭い。

いつものようにオフィスに行って自分の席に着く。何だか、皆がじろじろ見てくる。やっぱり眼鏡してくれば良かった…。

前席の笹木さんが、思いっきり変な顔をして見てくる。何でだろう…。

「九宝さん、おはよう。ちょっといい？」

いきなり鮎川さんに呼ばれた。ちょっと怖い。私、何かしちゃったのかな？

「コンタクトにしたの？随分感じが変わるのね。」

側に行くなりヒソヒソ声で、そう告げられてビックリした。わざわざ、それだけの為に呼んだの？

「九宝さんにお願いするのは、これとこれ。悪いけど済んだら金井さんに渡して。私今忙しくて、預かれないから。」

ふとパソコンを見ると《×××企画提案書》と写し出されていた。

「企画あげるんですか？頑張ってくださいね。」

何だか忙しそう…。邪魔しちゃ悪いわね。あれ、何か他に用があるのかな？何でじっと見てくるの？

「そのシャツ、どうしたの？」

「は？シャツがどうかしましたか？」

「いいえ。別に何でもないわ…。」