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私は犬
第7章 お仕事です②
「分かったわ。あたしがあんたの家に行く。明日の準備1人じゃ大変でしょ。それくらい手伝うわよ。」

「……。」

「何黙ってんのよ。女には興味ないから安心しなさいよ。わたしはウケ専門なんだから。」

今までも何度も来て頂いているし、お化粧や髪型を教えて頂くために、2人でも何度か過ごしたし。大丈夫よね。

「はい。お願いいたします。」

「ほら。いくわよ。早く乗って」

近藤さんは、いつの間にタクシーを止めたのか、すでに乗り込んでいた。



部屋に着くなり、真っ直ぐキッチンに向かった近藤さんは、「お腹空いたでしょ。悪いけど勝手に作るわよ。」と冷蔵庫を開けてお料理を始めた。

その様子を黙って見ていたら

「ボーッとしてないであんたもさっさとメイク落として。お風呂入っちゃいなさい。ちゃーんと教えた通りやるのよ!パックもさぼっちゃ駄目よ!」

と、バスルームに追いやられた。ここは従った方が良さそうだわ。


教わった通りにコットンに専用リムーバーをたっぷり含ませて両目や唇にそっと当てがう。

それから綿棒と新しいコットンにまたリムーバーをたっぷりつけて、

あれやこれや駆使しながら慎重にポイントメイクを落としていると、バスタブにお湯が溜まった事を知らせる合図が鳴った。

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