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私は犬
第32章 我慢の限界*
股に何かを詰めたまま歩くのは苦しくて、自然と前屈みになる。1歩踏み出すごとに股に縄が食い込んで、クリトリスが潰れていく…。

私がゆっくり歩く後ろから、有史さんが着いてくる。見つめられている背中が熱い…。隣の部屋までの数十メートルが、とても長く感じられた。

やっとの思いで隣家の玄関前に辿り着くと、有史さんは私の目を見つめたまま、キーを見せびらかして動かない。早くこの扉を開けて…。

「中、入りたい?」

耳元でそう囁かれ、即座に首が縦に動いた。カチっと音がして、有史さんの手で扉が開かれる。逃げ込むように、急いで扉の内側に身を隠すと、安堵から身体中の力が抜けた。もう、歩きたくない…。

「歩け。」

そう促されて、力の抜けた身体を引きずるようにしながら向かった先は、例の納戸だった。有史さんは、厚いコットンのラグに私を転がすと、うつ伏せに床に押し付けて後ろで手を縛り始める。押し付けられたラグから立ちのぼる洗剤の香りが、束の間心を和ませてくれた。

うつ伏せ寝のまま、両足首も拘束された。足を折り曲げて、背中の上で手首と足首の縄がきつく繋がれてしまう。これ、脚を大きく広げていないと、腕が引っ張られて痛い…。

有史さんは私の前髪を乱暴に掴んで、顔を無理矢理上げさせると痛いキスをした。
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