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第9章 お仕事です④

１ヶ月経ってやっと仕事に慣れてきたように思う。

とてつもなく嫌な予感も、当たらなかったみたいで良かったわ。

と、給湯室のシンクをゴシゴシ磨きながら思った。

ここが終わったら、タオルを替えてフキンを綺麗に漂白して新しい物に替えて、その次は植木にお水で…。

渡辺さんが来る前に終えておかないと。あ、冷蔵庫も綺麗にしろと昨日言われたのに、時間が無いわ…。

とりあえず、今日は外側だけ拭いておこう。中は明日やればいい。

持ち込んだ洗剤をシュッシュと掛けて、冷蔵庫の外側を丹念に素早く拭きあげた。


更衣室での一件の後、渡辺さんに色々と雑用を申し付けられるようになった。

掃除用具は自分で買って用意するのが当たり前と言われ、何処に収納すべきか尋ねると、私物は自分で管理しろと言われた。
だから、割当てられた更衣室のロッカーには、洗剤類が並んでいる。

机の足元には、ゴム手袋と小さなジョウロをしまった。ちょっと邪魔だけど、仕方ないわね。

管理能力不足からか、時々、ゴム手袋が紛失するから使い捨てタイプに変えた。これなら無くしても困らない。

給湯室のゴミ箱に捨てたら、ここはあんたの家じゃないんだから、自分のゴミは持ち帰れと言われたのでそうしている。