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私は犬
第32章 我慢の限界*
ダメだ…。考え出したら止まらない。頭を切り替えるために何かしよう。そう思い立って、剛ちゃんに出かける事を伝えた。

「あら…。わたしも一緒に行くわ。でも、5時迄にはホテルへ帰るわよ。いい?」

「うん。」

出かけられればそれでいい。グランプラス辺りのカフェでお茶でも飲めればいい。そう思って出かけた。

ブリュッセルは観光地だけあって人が多い。夏だけど少し寒い気がしなくもない。カーディガン持ってきて良かった。

そういえば、イーぺルの猫祭り。次の開催はいつだろう…。あれ、また見たいな。そんな事を考えながら、剛ちゃんの後ろを着いて歩いていたら、ここは…。

ギャルリ・サンチュベールと呼ばれる、ヨーロッパ最古のアーケード街だ…。しまった…。剛ちゃんに買い物に連れて来られちゃった…。えーっと、こういう時は…。

「剛ちゃん、私本屋さん行きたいっ。こっち!」

そうよ。ノイハウスやデルヴォーは、東京にだってあるじゃない。私行かないんだからっ。

「あんたっ!本屋なんて何処にでもあるでしょっ!」

なんで、東京にもあるチョコやバッグのお店に入ろうとしてた人が、その台詞を言うんだろ?

「機内で読む本が欲しいのっ。」

嘘だけど。機内で本読まないと思うけど…。
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