この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
陽炎ーカゲロウー
第4章 過去
「そんなことお言いでないよ、定吉っつぁんの借金はあの子のせいじゃアないんだもの」

「親の借金、子が返すのは当たり前だろうが!」

「だいたい定の野郎、調子が良くッてよ、ちぃとも返さねえんだもの、しょうがねぇや」

「じゃア、あんたらは、テメェの借金のかたに娘が廓に放り込まれたって化けて出たりはしねぇってのかい?」

「そりゃモノの例えだろうが。しかし実際よ、廓にゃ売れねぇし、どうするかねぇ」

「お針子か、髪結いか、手に職つけてやりゃあ独りでもなんとかなるんじゃ、ないのかねぇ?」

「それがモノになるまで、誰が面倒見んだぃ」

「…………」

一番肝心な部分にくると、皆自然と口を噤む。

持ちつ持たれつ、と言うのは、己もいずれ世話になることがある、というのが前提で、背負い込むだけの関係はそうはいわない。

あらたに出来た己の子ですら、流すか間引く。

一人でも食い扶持を減らさねばならぬ貧乏所帯に、他人の子を引き取る余裕などありはしない。
/100ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ