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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第37章 三百年の時が二人を引き裂いた~涙が止まらない恋物語~
その後、ブンドは黒く変色してしまったお札を手に一縷の望みを抱いて

 住職を訪ねますが、既に老齢の住職は亡くなっていました。

 すべての希望を絶たれたブンドは絶望します。

 彼女の元に戻る手段があるなら、何年かけても、私はそれを探すだろう。

 しかし、その方法を見つけることはできない。

 あの人は同じ場所で私を待ち続けている。
 
 私は行きたいのに、行くことができない

 恋人を哀しませ続けるくらいなら、いっそのこと彼女から自分との記憶を消し去れば

 良いと、ブンドはついにお札を燃やす決意をします。

 だが、そなたとの記憶が消えてしまうのは私には耐え難い。

 せめて私はそなたと共にすごした時間を憶えておきたい

 ブンドは未来にいるはずの恋人に向かって、最後の手紙を書きました。

 この下りは涙なしには見られません。

 帰らぬ恋人を彼が消えた場所で待ち続ける彼女と

 三百年の時の彼方で、恋人に会いたいと涙する彼。

 言葉どおり、時が残酷にも二人を引き裂きました。
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