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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第44章 時は川の流れのように~時代劇 鬼平犯科帳 狐火より~
それから十年、今、おまさは平蔵の手下として働いている身です。

 そんなある日、江戸で大店が盗人に入られ、有り金すべて強奪された末、

 皆殺しにされた。

 あろうことか、現場には狐火の仕業だと示す札が残されていた。

 だが、狐火は先代から急ぎ働き、つまり、犯さず、殺さず、傷つけずの盗人

 仁義を固く守る集団で、そんな無法をするとは、おまさには信じられない。

 ましてや、先代の遺訓を守る勇五郎が今も狐火を率いているとすれば、

 尚更信じられなかった。

 信じられない想いの中、おまさは勇五郎と再会。

 昔、狐火にいた老人が今は堅気になり、先代の忘れ形見の娘をひそかに

 育てている。その老人がやっている茶店での再会。

 勇五郎は今は狐火の二代目として京都に暮らしているが、ここのところ、

 狐火の名をかたってあくどい盗みを繰り返す輩がいると怒り、

 江戸に出てきた。

 
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