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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第55章 こうして皇帝は国を傾けた? 怖いのは女の魅力~後宮の妃たち~
私だったら、

 やったわ! ただの衛兵だと信じていた彼が皇太子様だなんて、私って、

 何てラッキーなのかしら、これで私も玉の輿、次代の皇帝の皇后は間違いなし、

 好きなように後宮で権力をふるえるワ。

 なーんて、内心はほくそ笑むのですけど、

 ドラマのヒロインは皆、一様に真実を知るや、かえって身を引こうとします。

 まあ、それじゃなきゃ美しくないですもんね。また、そんなヒロインだからこそ、

 皇太子に愛されるのです。

 また八巻では、意外な過去が明かになりました。

 皇帝、つまり長広王の異母兄の寵愛する妃、簫貴妃の過去です。

 かつては長広王の方と愛し合い結婚するはずだったのに、

 政略で兄皇帝の妃となった。

 簫貴妃は長広王の心を奪った陸貞を憎みますが、元々は梁という国の王女だった

 にも拘わらず、幼いときから人質に出され、結局、故国は滅びた。

 王女であれば皇后にもなれたものを、亡国の元王女というだけで

 皇后に冊立されることはできなかった。

 また、愛していた男からも引き離され、兄の方の妃となるしかなかった。

 そういう過程は知ってはいましたが、今まで映像で出たことはなかったので、

 私は陸貞を憎んで嫌がらせをする簫貴妃をひどい女だと思っていました。

 でも、一連りのそういう不遇な過去が初めて映像で流されて初めて、

 簫貴妃もまた歴史の犠牲になった女性の一人なんだなぁと思いました。

 だけど、やっぱり、陸貞をいじめるのは許せません

 後は、皇帝の貴妃に対する寵愛ぶりが凄い。

 今まで後宮を舞台にしたドラマを見ていて、そこまで感じたことはありませんでしたが、

 とにかく皇帝が簫貴妃にベタ惚れしているのがよく伝わってきます。

 
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