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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第117章 「幻影~在りし日の公園 」
どれだけ多くの人がかつて訪れたのか
昔は子供たちの無邪気な歓声と人声が溢れ
メリーゴーランド 観覧車 
あらゆる遊具施設が所狭しと並んでいたに違いない
順番待ちをする人の長蛇の列
チボリの塔はそんな人たちを守るかのように誇らしげにすっと背筋を伸ばし
彼らを慈しみに溢れた眼で見下ろしていたのだろう
眼を閉じれば かつての華やかなりし時代がすぐ側にあるかのように浮かび上がる
今 昔の賑わいも栄華もうたかたの夢と化し
優雅な塔は幾分かのもの悲しさを漂わせて
ひっそりと佇んでいる
ここがあのチボリ公園 何度も来ようと思いながら来られなかった場所なのか
今度あの場所を訪れたら
きっとそう思うだろう
深まりつつある秋の澄み渡った空にいだかれるように
今日もあの塔は あの場所に立ち続けているのか

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