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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第139章 蝉の初鳴き~私だけの夏~
「蝉の初鳴き」

今年もまた蝉の音(ね)が聞こえ始めた
折しも今日は七夕
織姫星と彦星が一年に一度きり儚い逢瀬を交わす夜だ
その年初めて聞く蝉の鳴き声を〝蝉の初鳴き〟と呼び始めたのは
いつの頃からだったか
定かではないが 
この声を聞くと
―ああ 今年も夏が来たな。
しみじみと思わずにはいられない
これから始まる長く厳しい季節の始まりに
少しの期待とかなりの畏れをを抱(いだ)き
何か不思議と神妙な気持ちになるのだ

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