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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第145章 桜よ、永遠に(エッセイ)
「桜よ、永遠に」



 今年になってから、近隣で住宅の建て替え風景をよく見かける。今朝もまた近くのスーパーへの買い出しの途中で、新たに家を壊しているのを見かけた。そこは確か昔、内科医院だったように記憶している。幼い頃の朧な記憶では、風邪で受診する友達に付いていった時、興味半分で怖々と覗いた気がする。私自身は受診したことはないけれど、いかにも昔ながらの個人医院といった木造建築で重厚な雰囲気が漂い、病院特有の消毒薬の匂いがした。
 丁度、病院の建物に沿ってぐるりと巡った塀越しに、桜の枝が伸びている。塀のすぐ外が道路になっており、結構車や人の通行も多く、通学路にもなっているところから、学区の小中学校、高校の子どもたちもたくさん通る場所だ。私自身も小学生のときにはランドセルを背負い朝夕に通った懐かしい道でもある。
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