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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第191章 春待ち歌
 こんな暖かな日には
 すぐ側まで近づいている春の足音が聞こえる
 庭を臨む磨りガラス窓を開ければ純白の可憐な水仙花が
 一群れ慎ましく咲いている
 小春日和のある日
 長い長い廊下に佇んで庭を眺めると
 冬色に沈んだ庭の中で
 白木蓮の固い蕾が少しずつ膨らんでいるのが判る
 ルンルン ランラン
 まるで可愛らしい蕾がひそひそ話をしているかのように
 春を待ちわびているかのように
 控えめに存在を主張している
 そんな小さな花や蕾たちを見ていると
 私までまだ遠い春が待ち遠しくなる
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