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第3章 願わくば花の下にて

あんなに悩んだのに。

答えは、こんなに近くにあった。

もっと、早く聞けば良かっただけなのだ。

「私たちは、お互いに、気を使って、お互いの望みを聞かなさ過ぎたね。もっと早く、お互いの思いを打ち明けて話すべきだったのに。半年も、寂しい思いをさせてしまった…
ごめんね、サチ。ごめん…」

八尋の伏せた目から、頰に涙が伝う。

震えながら詫びる八尋に、サチも鼻をすする。

「私も。口に出すのが恥ずかしくて、それに、八尋は、私を養ってくれてるのに、身体のことも聞いたし、我儘言って困らせちゃいけないって…思ってた。もっと甘えても良かったのね…」

「うん。出来ないことは出来ないんだから、色々、言ってくれていいんだよ。二人で、どうすればいいか、一緒に考えて行こう？」

「うん…」