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弓月 舞 after story 集
第4章 もしも企画《 教師編 》第二弾


柚子が市ノ瀬に意見することなんて滅多にない。


「授業内容…変えてください…」

「お前…」


そんな彼女が、何故かこのタイミングで、どういうわけか意地を張っている。



「お願いします……!!」

「……っ」


白衣を放さない柚子の手を、市ノ瀬は掴み返した。


そしてその手を枕元に押さえ付ける。


パイプベッドが揺れて、壁に当たって鈍い音を立てる。





ギシッ.....





「──…逃げるか誘うか、どちらかにしろ…!! 」





彼は布団ごと柚子の身体を抱き締めて


自分の顔を見られないように、彼女の首筋にうずめた。












───…






「市ノ瀬先生ー、失礼しまっす」

「あれ、いないの?」

「おかしーな、職員室かな?」



数人の生徒が保健室を訪れたが、呼んでも誰もいないので諦めて帰っていく。






白カーテンに仕切られて見えないその場所では


市ノ瀬の腕に力強く抱き締められた柚子が、うっとりとした表情で目蓋を下ろしていた──。














     もしも企画《教師編》第二弾 (完)
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