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第1章 最悪な出会いと最低な再会

「じゃ、滝本にも声掛けといてみるよ！また連絡する！」

またね、そう言って二人は社食を後にした。
また連絡するって…

「美怜に連絡が行くってことだよね？」

「また連絡する、だって！社交辞令かな？ホントかな？」

キャアキャア言い出した美怜をなだめながら席に戻り、これは案外早く希望通りの展開になるのでは、なんて考えていた。

「連絡くるよ、きっと。美怜、良かったね。」

美怜も美人なんだけど、相手に恵まれないことが多い。
目鼻立ちがくっきりした華やかな顔立ち故に、外見につられて近づいてくる男の人も少なくない。
加えて、恋愛体質だから失敗も多い。

「でも、今、忙しいんだった。重役会議アポが多いんだった。最近、定時で帰れてないもん！」

そうか、マーケティング部門の案件だっけ。
美怜は分かりやすく凹んでいく。

「よし！今日からはもっと速く仕事をこなして、いつでも定時に帰れるようにしとかなくちゃね！」

凹んだと思ったら、もう立ち直ってる。
私、美怜のこういうところ好きだな。
ポジティブで、恋愛体質とは言え絶対に仕事を疎かにしない。

美怜が仕事への気合いを入れ直した後は、ランチを楽しんで、お互い職場に戻った。