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第1章 最悪な出会いと最低な再会

「とりあえず、反省して？」

ため息をつきながら、私の向かい側に座った琴莉が、私の隣に座っている美怜にグチる。

「うん。あれはない。ごめん。ホントごめん。」

「だよねぇ？」

リサーチ不足だったわー！と非を認める美怜。
そんな彼女に畳み掛ける琴莉。

「結構な事故案件だったわよ！久々に！知花もそう思うでしょ？」

いきなり話を振られた私はとりあえず話を合わせる。

「うん、そうだね。ちょっとないかな〜…」

あはははー…。
何の反省会かって？
実は先ほど行われた合コンの反省会をしているのです。
琴莉の言う事故案件とは、まぁ、男性陣が全員ダメだったとでも申しましょうか。
つまり、合コンとしては大失敗だったわけで、早々にお開きにして、お店を離れ、よく行くこの居酒屋にて飲み直して今に至る。

「むこうの幹事が来れなくなった時点でなんか怪しいとは思ってたけどさ！」

「まぁね。もう帰っちゃうのー？とか言われてもさ、私たち、よく耐えた方だよね？一時間半も！」

「ホントそれ！」

ははは、二人ともかなりご立腹だ。
私と美怜、琴莉は会社の同期。
美怜とは大学から一緒だけど、琴莉は入社して直ぐの新入社員研修で話が合い、みんな配属部署は違うものの、今でも公私ともに何かあったときは、こうやってよくこのお店で飲むことが多い。
簾で隔てられた半個室のお部屋なせいか、今日の反省会はヒートアップ気味。

「あれじゃあ、知花だって選べないって。ねぇ？」

そう。今日は美怜が私のためにセッティングしてくれた合コンだ。
過去の恋愛経験から恋愛に臆病になり、億劫になり、そんな私を心配して、美怜と琴莉はいろいろ考えてくれる。