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この出会いは…
第1章 最悪な出会いと最低な再会
完全に寝不足だ。
彼女の真っ青な顔が脳裏に焼き付いていて、電車での出来事を思い出してはイライラした。
全く寝付けなかった自分にもイライラしている。
朝、仕事に向かう電車の中、彼女を探してみたけれど、その姿を見つけることは出来なかった。

それでも今日はアポで予定が埋まっている。
切り替えなくては、と思い直して、自分のデスクにたどり着き、パソコンを立ち上げる。
メールチェックを始めると、社内メールの受信ボックスに目がいった。
珍しいなと思いながら、送信者を確認すると、アドレス内に"chika"の文字を見つけた。
"知花ちゃん"だと察知し、すぐにクリックした。

広報部の相原です。
昨日はご迷惑、ご心配をお掛けしまして、大変申し訳ありませんでした。
あの場に一ノ瀬さんが居てくださって、本当に救われました。
お水やタクシー代まで、気を遣って頂いてありがとうございました。
美怜にも連絡を入れ、帰宅時も付き添ってもらえるようになりましたので、報告とお礼をと思ったのですが、どうして良いかわからず、社内メールを送らせていただきました。
突然、社内メールを送りつけてしまい、申し訳ありません。
改めて、昨日は本当にありがとうございました。
相原 知花

なんとも彼女らしいメールだった。
丁寧だが、必要最低限で、事務的で、なんと言うか…、男に媚びる要素が全くない文面。
それが余計に微笑ましく感じてしまった。
確かにお互い、連絡先を知らなかったな。
それにしても、社内メールって、美怜ちゃんにアドバイスでももらったのかな。
なんとなく想像がつくな。
でもちゃんと出勤していることが分かって良かった。
少しホッとして、肩の力が抜けた気がした。

祐side 終わり
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