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第7章 はじめての共同作業

　
「だったら、俺に案があります。妹は、ひとまずこのまま侍女として働かせましょう。節制すべきと言っても、一人分くらいなら融通は利くはずです。秀吉様がお戻りになられたら、改めて処遇を決めるべきでしょう」

「姉の方はどうする？　このまま置けば、諍いの種となるぞ」

「要するに、子飼いが収まって、なおかつ節制出来ればいいんでしょう？　なら、姉は俺が側女として引き取ります。俺が食わせていくなら、問題はありませんね」

　予想だにしていなかった高虎の案に、子飼いにも大海にも動揺が走る。大海が言葉も出ず口を開いたままにしていると、高虎はさらに続けた。

「この女は、子飼いに扱えるような代物じゃありません。秀長様も分かるでしょう？　直接ここへ乗り込んでくるような女だ、普通じゃない」

「だからと言って側女とは……後からいらぬと言って、捨てられるようなものではないぞ」

「問題ありません。養うだけの価値があるかどうかは確認済みです」

　秀長は扇子で口元を隠しているため、高虎の言葉をどう受け止めているか分からない。しかし大海は、このまま黙っている訳にはいかなかった。