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戦国ラブドール
第11章 苛立ちの半兵衛
 
 月光の下に、大海の肌が晒されていく。着物で隠しても存在を主張していた豊かな乳房が、冷たい空気に晒される。はらりと地面に落ちれば、長い足も露わになる。その足の付け根は、流石に羞恥が上回ったのか、大海の両手で隠された。

「手をどけなさい。あなたは、どうぞ見てくださいと、懇願する立場でしょう」

 初めて会った時の弱々しい印象は、もう既に欠片もない。あの優しげな顔のどこに隠していたのかと思うほど、半兵衛は冷酷な目をしていた。

「半兵衛殿、どうしてこんな」

「立場をわきまえなさい。主人を気軽に名前で呼ぶ奴隷が、どこの世界にいるんです」

 頭で理解していたつもりでも、奴隷と口にされれば大海は目の前が真っ暗になる。いつの間にかからからになった喉は、震えた声を上げていた。

「申し訳ございません、殿……あたしの体、ご覧ください」

 大海はゆっくりと手を離し、薄い茂みに覆われたそこを晒す。半兵衛は頷くと、さらに大海を叩き落とした。

「では、自分で胸を弄りなさい。そこだけで気をやってしまうくらい、淫らに鳴くのです」

「そんな事っ、あたし――」

「出来ないのなら、逃げても構いませんよ」
 
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