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戦国ラブドール
第18章 プロポーズ
 
「わたし……お花を入れるもの、何か持ってくる。そのままじゃ、すぐ駄目になっちゃうでしょ?」

「あ……うん。ありがとう、小夜」

 小夜は気を遣ったのか、そそくさと部屋を出て行く。残された大海は、白い菊の花を見つめながら呟いた。

「これが気持ち……か」

 思ってもみない相手から出てきた恋仲、という言葉を思い出せば、大海はまた頬を赤く染める。高虎に虎之助に、市松。大海が向き合わなければならない人間が、同時に三人も現れる。普通なら有り得ない状況に頭がついていかないと思っても、真剣に寄せられる想いを投げ出す訳にもいかない。

 顔だけでなく、全身を駆け巡る真っ赤な血液。それは指先から白い菊を染めて、情熱の色へ変えてしまうのではないかと思うくらい熱かった。

 一方の小夜は、襖を閉め曲がり角を曲がると足を止め、壁にもたれかかる。

「花はしょうがないけど……あの人は、許せないよ。恋仲なんて、絶対認めない」

 溜め息の後、再び歩き出す小夜の足音は静かである。凍える程冷たな声が向かう先は、暗い暗い闇の中だった。
 
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