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戦国ラブドール
第19章 愛憎
 
「分からないけど……理解したいんだ!」

 大海は佐吉を逃がさないよう手を掴むと、先程と変わらない真っ直ぐな目を向ける。

「あんたは、あたしの友だ。友が悩んで苦しんでいるなら、助けてやりたい。その気持ちが分からないなら、理解したい。あんたは今まで、ろくに縁もないあたしを助けてくれた。その恩に、報いたいんだ!」

 目に入れてはならないと思っても、大きな大海の姿は佐吉の目に入ってしまう。そして一度捉えてしまえば、もう逸らしてしまう事は出来なかった。

「……本当に、知りたいと思うのか?」

「ああ、知りたいよ。あんたは、大事な友だ」

「そうか、では教えてやる。俺は――お前を友だと思った事は、ただの一度もない」

 拒絶の言葉に大海が動揺した一瞬の隙を突いて、佐吉は大海を地面に押し倒し馬乗りになる。寝転べば、元の身長差は関係がない。上に乗る佐吉が、支配者だった。

「佐吉っ――んっ!?」

 うろたえる大海の言葉を塞ぐように、佐吉は口吸いで大海を黙らせる。初め大海は抵抗しようと腕を突き出し足をばたつかせていたが、所詮は女の力。細身とはいえ、男の佐吉には敵わなかった。
 
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