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戦国ラブドール
第25章 赤壁の戦い③
 







 紅天狗の一人を尋問している高虎の元へ割り込んできたのは、志麻と小夜だった。

「高虎さん、お務め中に失礼します。小夜さんが、自分だけ隠れているのは筋が通らないと申しまして……この子も、大海さんのそばに置かせてやってくださいな」

「隠れる……? 大海って、何の事だ?」

「あら、こちらには来ていませんか? おかしいわね、じゃあ虎之助さんのところかしら」

「お姉ちゃん、半兵衛さんの無実を伝えるために、先に城の中に向かったんです。私は志麻さんのところへ向かうように言われたんですけど、わたしも何か出来ないかと思って……」

「ま、待て。半兵衛の無実って、どういう事だ? あいつはお前と恋仲の振りをして騙し、大海まで攫おうとしたんだろ」

「それが……違うんです! 半兵衛さんは、病で男性として不能になったから、絶対に恋仲なんて不可能だったんです!」

「なんだって!?」

「わたしが半兵衛さんだと思っていた人は、今もどこかにいるはずです。だから、お姉ちゃんはわたしを置いて……」

 そこで三人に過ぎるのは、言い知れぬ不安。それを伝えようと先に出たはずの大海が、高虎の元へ現さずに姿を消した。ただの偶然にしては、出来過ぎだった。
 
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