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禁断の果実に口づけを
第10章 普通に憧れる洋子



 基礎化粧品を肌に順番に重ねるだけで、潤いが出た。
その上にファンデを重ねて艶が出る。
優しく触れて労ると肌が喜んだ。
目が小さいのはコンプレックスだった。
アイラインを入れる事で、少し大きく見える様な錯覚を起こした。
化粧を念入りにする事は、自分を変身させるマジックなんだと改めて気づく。

 『そういえば、川端伊織の前職は美容部員だったな…
同じ職場で働いてるから欠点が目についた。
でも、違った出会いをしていたのなら……
仮に、化粧品を川端伊織に勧められたくらいじゃ、ここまで嫌う事もなかったのだろうに…
一度嫌いになると、頑張っていても認めたくない感情が強く出た。
嫌いという感情の方が強いからだ。
私は営業所の殆どの人間にそう思われている。
そう考えると、自分の心は合わせ鏡なのかもしれないわ。
体は太ってゆくにつれ、心はやせ細って貧相になっていたのかもしれないわね‥‥』


 「お客様いかがでしょう?」

 洋子が考え事をしているうちにメイクは仕上がった。
肌色がいつもより明るく見える。

 「あっ、有難う!
気にしている部分が上手く隠れたわ」

 『見違えるという言葉は自分の為にも遣ってもいいのだろうか…?
ちゃんと時間を掛けてメイクすれば、それなりになれる事も新たな発見もしたわ。
今日は、思いきり自分を甘やかせよう…』

 長年営業職をしている洋子は、自分の為に何かをしてくれる人には寛大になれた。
親切な店員が勧めるものは、素直に買ってあげたいという気持ちにもなる。
自分が綺麗になる為の投資を惜しみたくない。
洋子は店員に勧められた化粧品を購入し、店を後にした。

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