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禁断の果実に口づけを
第11章 REDな夜


 やがて、髪をタオルで拭きながら、伸介もバスルームから出てきた。
脛毛丸出しで筋肉質の身体を包んだバスローブ。
意外と爽やかに見えて、ドキッとしたのは内緒。
私は中身を袋の中に戻していた。


 「袋の中身何だった?」

 「オモチャよ…」
隠せるものでもない。

 伸介は袋の中身をテーブルに出す。

 「ほう、それは楽しめる。
いいサプライズだな。
なぁ、洋子」

 「試すの?」

 「ご厚意には甘えないとな」

 「怖いわ…」

 「お前は気持ち良くなって吠えるよ。
ほらバスローブ脱げよ!
セックスしたいんだろ?」

 言う通りにした。
この男に恥じらいは通じない。

 「何だ?
巣鴨にでも行ったか?
赤い下着なんてよー
まさにREDな夜じゃねーか!」

 『そう茶化して笑うのよね…
この男は私を真っ直ぐ褒めたりしない。
そんなの分かってた』

 伸介は下着姿の私に手錠をかけ、ベッドに放り投げる。
私は手の自由を奪われ、仰向けになったままベッドに沈む。
鋭い眼光を向けられた私は言いなりの従順奴隷となり、REDな夜を楽しめば、満たされてゆくだ。

 いろいろと体裁などを気にしながらも、私はそういう身体なのだから。
秋山洋子でありながら、淫乱女の洋子となり、セックスを楽しむただの女へと戻る時間を求めている。

 快楽に身を投じて、性を曝け出し、淫らで卑しいほど素直な欲望を見せるただの女になるんだ。
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