この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実に口づけを
第16章 砂の城


 「優美子。
本当に済まない。
この話は後日ゆっくりしょう。
輝の事をまず一番に考えて、二人で納得いく結論を出そう。
俺が……
君達にしてやれる事は惜しみなくするつもりだ。
ちゃんと償うから」

 「卑怯よ!あなたは!
今更、どうして?何でそんな事を言うのよ!
人の心を掻き乱してそんなに面白いわけ?
ふざけないでよ!」

 こんなにも感情を剥き出しにして、夜叉の姿に変貌する程、優美子の心に闇を落としていた事に驚き、恐怖を感じながらも、避けては通れない道なのだと健は覚悟せざるを得なかった。

 「優美子…
本当に御免なさい。
君には済まないと思っている。
俺が最低な事をしているのも重々承知だ。
君が言うとおり本当に卑怯な男だ。
だけど……
昨日一晩考えた。
これ以上、嘘を塗り固めて優美子や輝を傷つけてしまう事の方が怖い。
もっと罪を重ねる前に潔くなろうと思った。
優美子もどうしたいのか考えておいてくれ。
俺は出来るだけそれに従うから。
今夜はビジネスホテルにでも泊まるよ。
気をつけてハワイに行ってこいな。
話はお互いが冷静になってからしょう…」

 健はビジネスバッグを手に持ち、出掛ける準備をし、玄関に歩き出す。


 「卑怯者!
卑怯者!」

 優美子の罵声の声が背中越しに響いた。
健は振り返る事なく、そのまま玄関に向かう。

 優美子の啜り泣く声が玄関まで聞こえてきた。

 【バタン】と玄関のドアの閉まる音。
健の耳にも優美子の耳にも虚しい響きを残した。
/506ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ