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第17章 嫉妬の炎が揺らめいて

　「倉橋さん、わたくしはあなたを軽蔑致しますし、こちらも法に基づき、提訴を考えてます」

　優美子は朋子に冷たく言い放つ。
朋子は優美子の言葉に怯みだす。

　「……風間様、確かに倉橋が悪いです。
この写真を見て、倉橋が風間様に酷い事をしたのは、一目瞭然です。
私からもお詫び申し上げます。
本当に申し訳ありませんでした」

　冷静じゃない朋子や優美子の間に入り、この場を切り抜けないといけない洋子は、優美子に同調し謝る。


　「わたしくしは、ただ浮気だけを責めている訳ではありません。
この度、風間が会社の運営資金を私的流用している事を先程こちらに伺わせた横澤や専務からも報告を受けました。
いくら夫といえども、社長という立場を利用し、会社のお金に手をつける事は許されません。
会社や部下達に対しての裏切りをそのままにしておく事も許される事ではないんです。
ですから、そのお金が何処に流れているのか調べた次第です。
妻なら最期まで信じたかった。
でも、調べているうちに倉橋さんとの逢瀬の写真まで見る事になり、挙句、一千万もの大金を保険という名に変えられて横領までされた。
あなたに気持ち悪いと言われる事ですか？
気持ち悪いのは、そこまでしといて開き直るあなたでしょ！
あなたに夫婦の何が分かるの？
こんな汚いやり方で仕事をするあなたが一番気持ち悪いわ！」