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エンブレム──奴隷契約編
第2章 迫る狂気


「言い訳するな!現にこうしてお前のカバンから出てきただろ!」

「で、でも……俺じゃないっすよ。俺タバコなんて──」

「黙れ!」

田島はバンッと強く机を叩いて圭介を怒鳴りつけた。
その怒りように圧倒された圭介は黙り込むしかなす術がなかったが、これは田島の思惑どおりだった。



「おい麻美、お前も見たよな。こいつのカバンからタバコが出てきたのを」


「見ましたけど……。でも圭介君がタバコを吸ってるとこなんて見た事がありません。なにかの間違いです」


麻美は今にも泣きそうな顔で懸命に圭介をかばった。
実際、圭介はタバコを吸った事が無かったし、カバンから出てきたセブンスターも圭介の物ではない。
田島があらかじめセブンスターとライターを握ったままカバンに手を突っ込み一芝居うったのだ。


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