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エンブレム──奴隷契約編
第3章 罠

黙り込む麻美を見て、田島は冷ややかな笑みを浮かべた。

「そうか嫌か。なんでもできるとか言ってたが、所詮は他人事、心の中では圭介がどうなっても構わないと思ってるんだろ?」

「そんな事思ってないです!」

麻美はキッと田島を睨み付けた。
だが、その後の言葉が続かなかった。
確かに圭介のためならなんでもするつもりはあるが、田島の要求は常軌を逸している。
しかしその反面、田島の言葉にも一理あると思えた。要求を断るのは当然、しかし断れば圭介への愛を否定されてしまう。
麻美はそんなジレンマに陥っていた。

チラリと横を見ると、圭介が相変わらずポロポロと涙を流しうなだれていた。
その姿は麻美を決心させるのに十分すぎるほど惨めだった。


「わかりました……。私、先生の言う通りにします。そのかわり約束は絶対守ってください」

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