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捨て犬
第9章 殴らないで
ドキドキしっぱなしは
可哀想だから
それから俺は
エミに
片づけをさせてやった


しばらくして
エミが台所から戻って来ると

エミはテレビ見てる
俺の前に座って
何か言いたげな目で俺を見た



「どした?」



「しないの?」



「しねーよ」


エッチする気なんか
元々なかったんだ


「ごめんなさい」


「なんで?」


「待たせたから」


「あぁ、違うよ
よく考えたら
食べたばっかで
動けねーからやめたんだ
気にすんな」




どうして
すぐ片付けるのか

その理由を
聞きたくなっただけだよ





俺さ

今まで逃げてたけど

逃げないことにするよ




お前の全部





愛することに

決めたんだ





だから

知らないふりするのは




もうおしまい





俺に

それができるかどうか

自信はねーけど




仕方ないんだ

お前を好きに

なっちゃったんだから・・・






「今度の休みにさ

飯、食いに行こうな」



「うん」



「うれしいか?」



「うん」


エミは
首を大きく縦にふった


「そうか」



「っあっ」



俺は急いで
エミを抱き寄せていた


どうしても
ニヤける顔を
見られたくなかったから




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